朝井まかて「最悪の将軍」

朝井まかてによる綱吉の物語。
朝井まかて 最悪の将軍


一般的に我々がイメージしている綱吉は生類憐みの令を出した愚昧な将軍である。
柳沢吉保を寵愛し、様々なうわさ話なども小説などで知るし、忠臣蔵などでもあれこれ書かれている。

朝井まかては舘林宰相だった綱吉がどうして将軍になったか。
兄の4代将軍を敬愛して徳川ももう武ではなく分の世にしていくべきだと考えたとある。

弱い者たちを助けねばいけないという思惑で出した生類憐みの令も曲解されて施行され、悪い将軍だと庶民は思ってしまう。
浅野内匠頭が吉良に刃傷に及んだ時も、血は穢れ、勅使が来る日に刃傷とはもってのほかと即日切腹を命ずる。
将軍としてした処置があれもこれも自分の思いとは違う方向へ向かってしまう歯がゆさにいら立つ。

こうして朝井まかての綱吉を読むと、正室信子との細やかな情のやりとりには今までのイメージが覆される本だった。
柳沢吉保も嫌な男とは描かれていない。

今年も赤穂浪士の討ち入りの日が来るのだが、自分が知っている忠臣蔵は人形浄瑠璃や歌舞伎物により創作されたものである。
しかし、これが史実だと思ってしまうほど今では当たり前みたいになっている。

なんだかネット上で「ああだよ、こうだよ。そうらしい」というのが本当の話になってしまう現代とダブってみえる。



シックないもこさんの枠でフェルメールの絵を入れる。
№71フェルメールの絵


neko
Posted byneko

Comments 4

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まめ子  

読書

忙しい中にも読書を欠かさない。拍手拍手!

そのうちに作者nekoさんのお話が書けそうですね。楽しみにしています。

2017/12/12 (Tue) 08:43

いもこ  

No title

おはようございます。

戦国時代の将軍や武将たちの事は、本やドラマで多少の事しか知りませんが、中心人物の描かれかたは様々で時折首をかしげてドラマを見る事があります。

どれが本当の姿なのでしょう?
どれもが本当の姿なのかも知れませんね。
よく分かりません。

枠にピッタリの画像・・・より素敵に見え嬉しいです。

















2017/12/12 (Tue) 09:52

neko  

Re: 読書

まめ子さん おはようございます。

> 忙しい中にも読書を欠かさない。拍手拍手!
> そのうちに作者nekoさんのお話が書けそうですね。楽しみにしています。

筋書きだけの本を読みかけると嫌になります。
わくわくしたり、はらはらしたり、胸に染み入るような本を読んだときは幸せ感を感じます。

「読んだ本だけの人生を体験している」と誰かが言われていました。

綱吉さんの時代へ飛んで人生を体験してきました。

neko  

Re: No title

いもこさん こんにちは。

> 戦国時代の将軍や武将たちの事は、本やドラマで多少の事しか知りませんが、中心人物の描かれかたは様々で時折首をかしげてドラマを見る事があります。
>
> どれが本当の姿なのでしょう?
> どれもが本当の姿なのかも知れませんね。

作者が感じた、あるいは思った人物像になりますね。
絶対的なものはわかりませんよね。


> 枠にピッタリの画像・・・より素敵に見え嬉しいです。

クラシカルな枠ですから作ってみた時このフェルメールの絵が思い浮かびました。
どんぴしゃりの気がします。