朝井まかて「銀の猫」

朝井まかて「銀の猫」
江戸時代の介護の小説である。
主人公は離婚歴のある25歳のお咲。
毒親である母のせいで借金を抱え、その返済と生活のために介抱人という割のいい仕事を、口入屋を通して請け負っている。

介護は現代日本人が人ごとではなく、いずれは直面するだろうとても身近な問題だなのだが小説では舞台を江戸時代にもっていく設定が巧みである。

登場してくる老人たちは曲(くせ)者で、個性豊かである。(この人物は誰にやらせたらいいかなあなどとドラマのキャスティングまでしてしまう)
また周囲の人物たちも等身大で描かれている。
口入屋の夫婦は儲(もう)け話に貪欲で、利にさとい。だからといって人情がまるでないわけでもない。
一筋縄でいかない人たちをお咲は心から介抱するので、その良さを伝え聞いて口入屋へ指名して来るほどである。

やっとの思いで稼いだ金をくすねて平気な母親に、「おっかさん、お願いだからいなくなって。あたしの前から消えて」と時に願わずにいられぬ切実さの中で生きている主人公に「ああ、無理もない」と共感するのである。

望まれて嫁いだ先で舅だけは心を通わせることが出来た。
母親が金をせびりに来ていたことが分かって離縁されたときに舅がくれた小さな銀の猫。
それを懐に入れて持ち歩き、堪えなければいけない時などにギュッと握りしめる。

それがこの本の題名になっているのである。

オール読物に連載された8遍をまとめたこの本。
絶対にお勧めできる。


ずっと前にお絵描きした七夕飾り。
Word絵たなばたまつり

neko
Posted byneko

Comments 8

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いもこ  

きょうは七夕

おはようございます。

きょうは七夕、夜に天の川が見られると良いのですが・・・
wordでお絵かき『七夕まつり』 懐かしいですね。

『オール読物に連載された8遍をまとめたこの本。
絶対にお勧めできる。』

nekoさんお勧め『銀の猫』読んでみたい・・・です。

2017/07/07 (Fri) 09:16

baba  

No title

今日は七夕ですね。
お天気も良いから天の川見れますかね?

2017/07/07 (Fri) 11:40

neko  

Re: きょうは七夕

いもこさん こんばんは。

天の川と夏の大三角形。
私にはよくわかりません。
今夜は月が明るくて・・・と言い訳しています。


> nekoさんお勧め『銀の猫』読んでみたい・・・です。

これは現代の介護とかヘルパーとか、最後の看取りなどを江戸時代に置き換えていますがすっと本の中に入り込めます。
どうしようもない母親の借金の返済に泊まりの介抱の仕事に頑張る彼女。
応援したくなりますよ。


neko  

Re: No title

babaさん こんばんは。

> 今日は七夕ですね。
> お天気も良いから天の川見れますかね?

空は晴れていますが、満月に近い月がこうこうと明るく照らしています。

実は私、夏の大三角形と天の川ってよくわからないのです。

まめ子  

銀の猫

忙しい時間の合間をぬっての読書ですね。
お仕事、PC,園芸、畑仕事等々。

もしかして、もしかして読書の合間を縫ってでしょうか。
時間の使い方がお上津なんですね。
私は時間にぼわれていて、読書の時間がありませんが、
【銀のneko】なら読んでみたいです。

七夕のお絵かき
これだけ書くには時間がかかったことでしょう。大作です。拍手拍手

2017/07/07 (Fri) 21:56

かやのたも  

ぜひ、、、

お咲さん、
時空を超えて、
ぜひ我が家へ!

2017/07/08 (Sat) 06:20

neko  

Re: 銀の猫

まめこさん おはようございます。

最近はなかなかこれだ!という本に出合わなくて途中放棄が多かったのです。

新刊の棚で手に取ったこれが大当たりで嬉しかったです。

> 七夕のお絵かき
> これだけ書くには時間がかかったことでしょう。大作です。拍手拍手

今から思うとよく面倒がらずにやったものだと自分ながら感心しています。
たまには虫干ししてやらないと可哀そうです。

neko  

Re: ぜひ、、、

かやのたもさん おはようございます。

> お咲さん、
> 時空を超えて、
> ぜひ我が家へ!

いやいや、切実な叫びでしょう。

しかし、お咲さんの日当は高いですよ。
しかも仲介の口入屋がどっさりと上乗せしてしているので、私の計算からすると一日当たり2万円以上にはなりそうです。