「皇帝フリードリッヒ二世の生涯」

塩野七生著「皇帝フリードリッヒ二世の生涯」を読んだ。
フリードリッヒ上下巻

アマゾンによる商品の説明

内容紹介

この人を見よ! その生と死とともに、中世が、壮絶に、終わる―― ! 構想45年、ユリウス・カエサル、チェーザレ・ボルジアに続いて塩野七生が生涯を描き尽くした桁違いの傑作評伝が完成! 神聖ローマ帝国とシチリア王国に君臨し、破門を武器に追い落としを図るローマ法王と徹底抗戦。ルネサンスを先駆けて政教分離国家を樹立した、衝突と摩擦を恐れず自己の信念を生き切った男。その烈しい生涯を目撃せよ。

古代にカエサルがいたように、中世にはこの男がいた―!構想45年、塩野七生がどうしても書きたかった男ルネサンスを先駆けた“世界の驚異”



長い長い本である。

大体において「神聖ローマ帝国」とはなんぞや。
シチリア王国とは?から知らないと始まらない話しなので大ごとである。

13世紀、ローマ法王庁が自前の領地を持っていた頃、南イタリアとシチリアは一つの王国であり、ここの王は世襲である。
一方北イタリアとドイツ(周辺も含め)の神聖ローマ帝国は自治都市や各領主の集まりで、皇帝はそれらの人が推薦して決め法王が冠を授けて皇帝とみなされる。

北の皇帝と南の王は兼ねてはいけない。(法王庁が南北から攻められない為)

神聖ローマ皇帝の血筋正しき子が幼くして父、そして母に死なれてしまうが、シチリア王国で健やかに育つ。

1194年に生まれ1250年に死ぬまで法王から3度も破門された。
なぜなら法王の意に染まない行動をしたから。

十字軍を率いて戦闘をすることなくイスラムと交渉し、エルサレムの再刻をなすが、「血を流してこそ十字軍である」と法王は満足せず。
「法王は太陽、皇帝は月」と言われるのを信じていた中世のカトリック教会。
「神」→「法王」→「皇帝」と神の地上での代理人である法王が皇帝や王に統治を委託して来たと考えていた。

フリードリッヒ2世は
「神」→「法王」(宗教面)
「神」→「皇帝」(現実の生活面)
と考え、「メルフィ憲章」を作り、法治国家を作ろうとする。

 それに対して法王は「異端裁判所」を作る。
「異端」とは異教徒ではなく、キリスト教の中でキリスト教が定めた信じ方と異なっていると断じられた人の事である。
法王側から見れば反体制的に見える行動をする皇帝を事あるごとに牽制していく武器となった。
法王が会議を開いて「フリードリッヒはけしからん!首だ!」と叫ぶとフリードリッヒはイギリスやフランスの各地の王に「法王が王の冠をはく奪出来るのなら、明日はあなたの番かもしれませんよ」とメディア作戦で対抗するし、最後は実力行使をし、法王はフランスの片田舎の修道院へ亡命する。
しかし、法王もただ隠れているだけではなく、そこから「長い手」と言われる遠いところへ画策の手を伸ばして皇帝の追い落としを謀る。
そうした途中でフリードリッヒ2世は1250年に55歳で死亡。
十数年後、息子が治めていたシチリアも破れて、フリードリッヒの家系(難しくて書けない)もとだえる。



3度の正式な結婚で得た子供の他、愛人の子も多数。
11人の女から7人の男子と8人の女子を得、その子供たちの面倒も徹底して見、政略的に活用もしていた。
生涯を通じて助けてくれる大司教や友人が身辺にいた。
ヨーロッパ初の国立大学をナポリに作り、法治国家に必要な人材を育成した。
ローマ数字(Ⅰ Ⅱ)が使われていた時代にアラビア数字(0 1 2)を研究した学者に生涯年金を送り続けた。

エピソードがいっぱい盛り込まれ、中世の皇帝であり、王であったフリードリッヒⅡ世(イタリア読みだとフェデリーコⅡ世)が魅力的な姿で立ち上がっている本だった。

細かい所に目が行った。
本体のページは普通にアラビア数字、参考文献はローマ数字でページが示されていたのに気がついた。
参考文献だけで19ページになっている。(もちろん読めない文字だがローマ数字は20までは読める)


「以前もそうだった?」とユリウス・カエサルの本をめくってみたら同じようになっていた。
たまたまアラビア数字とローマ数字が出て来たので気がついたのだが、桐野七生氏ずっと昔からそうして来られていたのだ。


neko
Posted byneko

Comments 2

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みよ  

皇帝フリードリッヒ二世の生涯

nekoさんもよくこの長い文章を打たれましたね。

2拍手してしまいました。

私も読みたいと言いたいところですが私には到底無理です。

<草笛のこと>
員弁の梅林で思いがけず、草笛の素敵な演奏?を聴いてしまいました。

以前このブログに書いたと思いますが、桂小金治さんのお話のテープの中に草笛のことが出でいます。

最近このテープが目に付くところにあって、また聴いています。

笑わせます。泣かせます。『人の心に花一輪』という題です。

初めてそのテープをもらってから30年近くになりますが主人は聞いたことがなかったのです。
今になって面白かった、よかったといっています。

私は何十回も聞きました。
ミシンを踏みながら、お勝手をしながら、草取りをしながら。等々。
読書をしながらはできませんが。

そこで私が言いたいことはこのテープをみんなに聞いてもらいたいなー。と言うことです。ラジカセのない方はお貸しします。

2014/03/22 (Sat) 10:20

neko  

Re: 皇帝フリードリッヒ二世の生涯

みよさん、いろいろありがとう。

カセットの話を主人に聞いただけの時は全く意味がわかりませんでした。
が、このコメントでようやくわかりました。

「小金治さんのお話がとってもいいので、貸し出すので聞いて欲しい」という事だったのですね。

まだ時間がなくて聞いてませんのでお話の内容も全く分かりませんが、みよさんがご推薦なのだからきっといいお話なのでしょう。

わざわざありがとう!




> nekoさんもよくこの長い文章を打たれましたね。
>
> 2拍手してしまいました。
>
> 私も読みたいと言いたいところですが私には到底無理です。
>
> <草笛のこと>
> 員弁の梅林で思いがけず、草笛の素敵な演奏?を聴いてしまいました。
>
> 以前このブログに書いたと思いますが、桂小金治さんのお話のテープの中に草笛のことが出でいます。
>
> 最近このテープが目に付くところにあって、また聴いています。
>
> 笑わせます。泣かせます。『人の心に花一輪』という題です。
>
> 初めてそのテープをもらってから30年近くになりますが主人は聞いたことがなかったのです。
> 今になって面白かった、よかったといっています。
>
> 私は何十回も聞きました。
> ミシンを踏みながら、お勝手をしながら、草取りをしながら。等々。
> 読書をしながらはできませんが。
>
> そこで私が言いたいことはこのテープをみんなに聞いてもらいたいなー。と言うことです。ラジカセのない方はお貸しします。