「舟を編む」

辞書を繰ってみたのはいつの事だったかというくらい、最近は全く見ていない。
ネット・ネットで済ませてしまっているのだ。

三浦しをん著「舟を編む」をやっと持ってきてもらえた。「お待たせしましたね」と言いながら・・・

読み始めたらもう三浦しをんワールドにはまってしまう。

荒木公平
子どものころから辞書に興味を抱き、編集者として定年間近で後釜の編集者をさがす。
そこで候補に挙がったのが馬締(マジメ)光也。
その彼が辞書「大渡海」の編集室へ入ってくるまでの経過だけで大笑いをし、イメージが出来上がる。

馬締光也
木造二階建ての古アパートに暮らし、下宿人が自分一人をいいことに空き部屋へ次から次へと本を運び入れ、大家のタケばあさんは二階へ引っ越すと言う有様。
タケばあさんの孫の香久矢(かぐや)に恋する。

西岡正志
馬締の同僚ではあるが辞書編集は自分向きではないと思っている。
なので、口八丁の点を活かして執筆の先生方との交渉など根回しして編集部を助ける。
営業に移動命令が下された時、先生方の対応の仕方や癖などをマル秘化してファイルし、自分の後に配属されてくる者があった時に備える。

岸辺みどり
「大渡海」編纂を正式にスタートしてから 十三年後、常勤は二人しかいない編集部(馬締・資料整理の佐々木)に配属され、その実態に驚きながらも用紙の事・字体の事等など順次勉強していく。

松本先生
根っからの学者であり、辞書を作るために生きているような人で、常に用例採集カードを手元に置く人。

何回もの校正をしながら欠落した見出しがあったりして、用例カードで「採用」となっている見出しが語がちゃんと入っているかすべてチェックするという事態も起きた。

装丁は夜の海のような濃い藍色で文字は銀色。下の方には細い銀の線で波のうねりが表現され、背の部分には古代の帆船のような舟が描かれ、表紙と裏表紙には三日月と舟のマークが刻印されたものとなった。

刷り始めた最初のを入院中の松本先生に見せる事は出来たが完成した本は間に合わなかった。
へこんでいる馬締に荒木が先生からの手紙だと見せてくれた中に「君とまじめくんのおかげで私は辞書の道をまい進する事が出来た。充実した生でした」とあった。

松本先生と荒木公平は大渡海と名付けた理由は
「人は辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かびあがる小さな光を集める。」
「海を渡るにふさわしい舟を編む」という。


「辞典というものは、ことばという存在の海に乗り出す、まことに頼りがいのある舟のようなものであろう」
これは広辞苑第5版で寿岳章子氏が序で書かれている言葉である。

この記事を書きながら久々に広辞苑を開いたのである。
「膨大と莫大」とか「おませとおしゃまはどう違う」とか「あがるとのぼる」とか。
懲りずにネットで広辞苑を検索した。
第六版が出版されていた事も知ったし、いきなりお詫びと訂正があった。
やっぱりあるのだなあと変な所で感心したりした。

そして自分がいたくうなづいたのがこの「舟を編む」の装丁である。
前述の「大渡海」の装丁と同じなのである。
深い藍色・銀色の文字・細い波の形・舟・三日月だ等など。
憎いねえ。こだわったねえと嬉しくなったのである。

舟を編む


「編む」には編集するの意もあり。
それでこの本の題名がよく分かった。

心躍って長文になった。(3時間余かかった)




neko
Posted byneko

Comments 6

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かやのたも  

No title

文章は苦手ですねえ!
長文は特に駄目ですねえ!

写真でごまかしてます。

ちょいと読んでみたくなりました。

2013/05/20 (Mon) 07:38

みよ  

こんなに気を入れて!

すごいです。3時間もかかって書かれたのですか。

こんなに気を入れて読んでもらえて、三浦しをんさんも喜んでみえることでしょう。(ところでしをんさんは女性でしょうか?恥ずかしながらこんな質問をしてしまいました。)
機会があればいつか読んでみたくなりました。


レ ミゼラブル

やっと読み終えたので返しました。(中学生以上と書かれいました。へー、中学生でもこのくらいのを読むんだと変に感心しました。)

銀の燭台のところだけしか知りませんでした。

映画を見たけれども、あらすじがよくわからなかったので、想像して見ていました。
下巻はコゼッと青年の恋を中心に書かれていて納得しました。

本を読んでから映画を見たほうがいいのか、見てから呼んだほうがいいのか?


2013/05/20 (Mon) 07:41

neko  

Re: No title

かやのたもさん おはようございます。

ブログに長文は合いません。
が、今回は自分の気持ちを外へ出したくて長くなりました。

neko  

Re: こんなに気を入れて!

みよさん おはようございます。

PCの前に伊田のが時間です。
「舟を編む」と「広辞苑」をひっくり返してみたりしていた時間が長かったのです。

三浦しをんさんはまだ若い女性です。
「まほろ駅前多田便利軒」というので直木賞、この本は本屋大賞を受賞しています。
受賞作だからどうっていう事もないのですが、主人公たちのしぐさまで彷彿とさせる書き方が大好きです。

やっと本が読めたので映画の「舟を編む」も観れます。
(私は読んでから観たい方です)

いもこ  

「舟を編む」

≪註
「編む」には編集するの意もあり。
それでこの本の題名がよく分かった。

心躍って長文になった。(3時間余かかった)≫・・・よくぞ書いてくださった。

nekoさんの文章を読ませてもらって、この本を読んでみたくなりました。

2013/05/20 (Mon) 10:10

neko  

Re: 「舟を編む」

いもこさん
今朝はありがとうございました。

自分が気に入ったので勝手に推薦しました。